【感想】中山七里「毒島刑事最後の事件」(幻冬舎)

 これもシリーズということで「作家刑事毒島」があります。


が、私は「作家刑事毒島」を読んでないので毒島シリーズがこっちが初読でした。


犬養隼人のレクチャー役という点も興味をひきますが、あまりそっちの活躍ぶりは大きくなく、毒島自体のキャラが強くそちらで成り立っている話でした。


おそらく主人公の毒島自体のキャラを好きになるか、受けいられれば面白いと思えるでしょうし、このキャラが嫌やーって思う方は面白くないんじゃないかなー。


まぁ、人を喰ったような言動ですが、本質をついていることと、私利私欲感がないので嫌味は感じません。そういった意味では愛されるかどうかはわかりませんが、そこまで嫌われるキャラではないかなと。


キャラのパターン的には「能面検事」を思い起こさせられましたが、あっちは無表情。こっちは憎ったらしい表情と毒舌といったなかなかどっちも私好みでした。


(「能面検事」の感想書いていると思ってブログ見直してみたら書いてなかったみたい…。完全に忘れてました)


一つ一つの章が一つの事件になっていますが、前編を通して「教授」との対決となっています。


承認欲求と殺人教唆が全編を通してのポイントですね。


もう、承認欲求の部分なんかは自分の糞ぶりと重なって痛い痛い。自分自身も一歩間違ったらあっちがわ(犯罪者じゃなくて新興宗教)にハマっていたとまじで思っているので、なかなか小説や他人事じゃなくて人の人生ってどこが線なんだろうと思う。今もまだ線上にいるのかもしれませんけどね。(おぉ、怖い)



とりあえず世間で生きれていることが運の良さでもあり、家族を含め、周りの人々に恵まれたという感謝というのは今なら思いますね。



いつもながら話がずれましたが、小説自体は最後まで個人的には好みでしね。決していい終わり方じゃないのかもしれませんが、毒島が与えてあげた救いだと思います。(再度いいますが、決して正義でも正しいわけでもないとは思いますが救いだと思いましたね)



ちょうどテレビ東京系で11月30日(月)夜8時から、月曜プレミア8「作家刑事 毒島真理」(ぶすじましんり)が放送されるので、楽しみに見ますわ! 本も読みたくなりましわ。



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